完成工事補償引当金の取扱い(相違点)

Çブログ建設業会計完成工事補償引当金の取扱い(相違点)

令和3年4月1日以後に始まる事業年度から適用される「収益認識に関する会計基準」の解説の続きです。

完成工事補償引当金とは、工事の完成引き渡し後に、一定の条件のもとに補修修理を行う契約になっている場合に、支出に備えて計上する引当金のことになります。

「収益認識に関する会計基準」適用前は、以下の企業会計原則注解18が計上根拠になっていました。

将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。
 製品保証引当金、売上割戻引当金、返品調整引当金、賞与引当金、工事補償引当金、退職給与引当金、修繕引当金、特別修繕引当金、債務保証損失引当金、損害補償損失引当金、貸倒引当金等がこれに該当する。
 発生の可能性の低い偶発事象に係る費用又は損失については、引当金を計上することはできない。

一方で、「収益認識に関する会計基準の適用指針」132項には、以下のような記述があります。

財又はサービスに対する保証には、財又はサービスが合意された仕様に従っていること
により、各当事者が意図したとおりに機能することを顧客に提供する保証と、当該保証に
加えて顧客にサービスを提供する保証(保証サービス)がある(第35 項参照)

これは誤解を恐れずにわかりやすく書くと、保証は以下の2つに分けられるということです。

① 業者が意図した通りに購入者が使っても故障した場合に元通り動くようにする保証

② 業者が意図しない使い方を購入者がして、故障したとしても修理して動くようにする保証、製品の使い方をレクチャーする、といったサービスを提供する保証

従来は①、②両方とも企業会計原則注解18に従い、引当金を計上していました。

一方、「収益認識に関する会計基準」では以下のような取扱いになります。

①については従来通り引当金計上します。

②については取引価格を財⼜はサービス及び当該保証サービスに配分します(収益認識に関する会計基準の適用指針34項、35項)。約束したサービスを提供した時に売上を計上することになります。

本日のブログは以上です。